管理人の独り言 le monologue

言葉って面白い。

SNSでどなたかが、ロシア語に「熊」という言葉がない。それは熊が恐ろしいものだから、あえて避けたくてそういう言葉が存在しないのだ。ということを書いていたのを目にしました。じゃあ「熊」のことは何というのか?というと「蜂蜜を知るもの」という言葉をあてるのだそうです。へー面白い。

考えてみれば、日本語にもそうした表現があります。「するめ」といわずに「あたりめ」というのもそうでしょう。商売をしていた祖父は「梨」のことを「ありの実」と呼んでいました。これも商売上縁起が悪い「なし」を嫌って「あり」にかえたものだと思います。

「梨」で思い出しましたが、祖父は果物のことを「水菓子」と呼んでいました。今では高級な日本料理にお品書きのデザートのところに「水菓子」と書いてあるのをみるくらいで、あまり日常的に聞く言葉ではありません。
この「水菓子」については気になったので、ちょっと調べてみました。「水菓子」という言葉は江戸時代から東京で主につかわれた言葉で、関西では「くだもの」と呼んでいたそうです。
ここまではふむふむと思っていたのですが、なんと、今では水ようかんや水まんじゅう、ゼリーなどつるんとした水っぽいお菓子のことをそう呼ぶことが多いのだそうです。えー、びっくりです。

あー、言葉って面白い。言葉の奥にいろいろな意味が含んだり、時代とともに意味が変わってくるのですね。
でも個人的にはやっぱり「水菓子」は果物のことであってほしい、そのほうが情緒があるような気がします。


クロノスの歌声 クロノスの歌声

今週の展示は「クロノスの歌声」。架空想主催の、19人の作家によるコミックアートを中心としたイラストの展示です。テーマは「時間、時計」。静寂の中にカチコチカチコチと時計の音だけが聞こえてくる、そんな感じの展示です。是非お越しください。26日まで。